青磁(せいじ)
青磁(せいじ)とは、青磁釉を施した磁器(Porcelain)または炻器(Stoneware)のこと。
透明感のある青緑色の磁器で、紀元前14世紀頃の中国(殷)が起源とされる、後漢代に流行し以後次第に普及した。
製造技術は日本や高麗にも伝播した。
特徴的な青緑色は、釉薬や粘土に含まれる酸化第二鉄が、高温の還元焼成によって酸化第一鉄に変化する事で発色する。
色艶は全く異なるが、酸化クロムの還元で発色させる物も青磁と呼ばれる。
白磁(はくじ)
白磁(はくじ)とは、白素地に無色の釉薬をかけた磁器の総称である。
ケイ酸とアルミニウムを主成分とする白色の粘土の素地に、鉄分のない植物灰と高陵石から精製された透明釉薬を掛け、高温の還元炎で焼き上げて作る磁器の一種。
また青白磁(せいはくじ)とは、白磁の一種であるが、とくに釉薬が文様の溝にたまって青みを帯び美しい水色に見えるものをいう。
青白磁は宋代の景徳鎮産の梅瓶や香炉、鉢、水差の優品がその典型例で、宮廷や日本では大名クラス以上の人々に珍重された。
なお白磁や青白磁は日本において、色の表現としても使用されている。
彩磁(さいじ)
彩釉磁器は 本焼した磁胎に色釉を施し 焼き付ける陶芸技法である。
その特色は 色釉の持つ美しさを濃淡や色彩の対比等によって表現するところにある。
各種の彩釉を用いる磁器の制作が盛んになるのは中国では明時代以降の景徳鎮等においてであり 我が国では江戸時代以降有田や九谷等において 彩釉磁器 の技法は用いられてきた。
今日の彩釉磁器は 伝統的な釉技を基礎に独自の創意工夫が加えられ 高度の芸術表現を可能にする陶芸技法として高く評価される。
象嵌(ぞうがん)
象嵌(ぞうがん)とは胎土と異なる色土をはめ込んで装飾する技法です。
素地土である胎土と違う色の土で模様を際立たせる装飾方法のひとつです。
象の目になぞらえて「象眼」、嵌めこみ模様という意味から「嵌花」(かんか:花=模様の意)とも呼ばれます。
ちなみに象嵌は陶芸以外の諸工芸においても広く用いられる技法です。たとえば金属を彫りこむ「彫金」などの金属工芸。
そして「彫漆」のほか貝を漆器に嵌めこむ「螺鈿」(らでん)などの漆芸に見られます。それぞれ色の違った素材を象嵌しています。
粉引(こひき)
粉引(こひき)のはじまりは15~16世紀に朝鮮半島で焼かれた白色系の陶器です。
当時は李氏朝鮮(李朝:1392年~1910年)の統治下にあり、白色の化粧土を主体とした作品群は粉青沙器(ふんせいさき)と呼ばれます。
代表的な粉青沙器には粉引のほか、白土装飾したうえに青磁釉をかけた一部の青磁、白土装飾を削った部分に別色の土をはめこむ象嵌粉青(ぞうがん ふんせい)、白土装飾をかき落とした三島手(みしまで)などが挙げられます。